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宜野座のコラム

宜野座の名産品 ジャムの常識を超えた!“お料理ジャム”

投稿日:2022/04/19

最終更新日:2022/04/19

やんばるで手書きのイラストが描かれたジャムを目にしたことはありませんか?それは、宜野座村「ぎのざジャム工房」にて、ひと瓶ひと瓶丹精こめて作り上げられたジャムです。
宜野座のコラム第2回目は、「ぎのざジャム工房」知名さんご夫婦にお話しを伺いました。

“もったいない”から生まれたジャム作り

美佐子さんのご実家ではタンカン農家を営んでいたそうです。そこではどうしても出てしまう規格外のタンカンに頭を悩ませていました。料理好きな美佐子さんの機転により生まれた、ぎのざジャム工房のジャムは、宜野座村の新しい名産品へと生まれ変わろうとしています。ぎのざジャム工房では、これまでに50種類以上のジャムが作られてきました。 今回は、ぎのざジャム工房で考案されたジャムについて教えていただきました。

ぎのざジャム工房を始めたきっかけは?

実家がタンカン農家だったのですが、規格外や台風の影響により傷がついた果実が大量にあり、試行錯誤した結果ジャムにたどり着きました。当初はご近所さんへおすそわけもしていましたが、それでも消費しきれないほどあるんです。そして、「豊作貧乏」という言葉があるようにただ配るだけだと、“モノ”の価値が低落し、購買意欲の低下も懸念されました。規格外といっても味が落ちるわけではないので、どうしたものかと考えジャムを作ることにしました。
一番最初の商品は「タンカンマーマレード」、今でも人気商品です。私たちは陶芸もやっているのですが、ジャム作りに力を入れ出したのは実はここ4~5年くらいです。近所の農家さんから「商品にならない素材をどうにかできないか」と相談されることも増え、気づけば50種類以上のジャムを作っていました。

販売している店舗を教えてください。

ぎのざジャム工房での販売を主に、道の駅「ぎのざ」さんで販売しています。他にも高速サービスエリアや道の駅「許田」さんなどやんばる地域でお土産を販売しているお店に置いてもらっています。うちのジャムを気に入ってくれた方が飲食店を営んでいて、自身のお店に置いているところもあります。
あとは、県外からでも購入できるよう各通販サイトでも取り扱っていただいています。

これまでの苦悩と新商品開発への糸口

店舗にズラッと並ぶジャムを見ると、種類ごとに違うイラストのラベルが使用されています。イラストは美佐子さんの手書きだそうで、ジャムの種類ごとにイラストが違うため、選ぶのもより楽しくなりますよね。
今ではこんなにたくさんのジャムがあり、やんばるではよく見かけるジャムではないでしょうか。

ジャム作りのこだわり、コロナで確信した強み

私たちのジャム作りは、宜野座村産や、やんばる産の原材料を採れたてのうちに加工することにこだわっています。農家さんが手塩にかけた大切な原材料はとても大切です。時には軽トラック一杯分もの量になりますが、採れたての新鮮なうちに加工しています。また、試行錯誤しながら甘いだけではない、酸味のバランスもとれた味になるよう心がけています。また、香料や保存料を使用せず、素材の味を感じることができるジャムに仕上げています。
ジャムは元来保存食として作られたためお土産や通販商品にもピッタリ。コロナ禍でも消費者へ届けられます。

地元宜野座村での反響はどうでしたか?

始めたばかりの時は苦戦しました。当時、県内でジャムを作っているのは数件ほど。果物というと皆さんフレッシュなものを好むので、わざわざ加工品を買うということは滅多にないんです。
ですが、最近は生食パンなどのパンブームもあり、県内外たくさんの方に好評いただいていて嬉しいです。

たまたま出会ったゆず味噌にヒントを得て“お料理ジャム”が開発された

ゆず味噌を食べたとき「ジャムに応用できそうだな」と閃いてお料理ジャムの開発を始めました。宜野座村を始め、沖縄にはごはん党の人が多い印象があります。そんな方にも楽しんでもらえるよう、宜野座で味噌づくりをしている方に協力してもらって、4種類のお料理ジャムが完成し、販売がスタートしました。私自身食べることが好きなので、ストレス最小限に、健康的にジャムを楽しんでほしいと考えていました。

お料理ジャムで、たくさんの人に楽しい食を届けたい

素材の味を活かすため、使用する砂糖についても研究と試作を重ねて出来上がったジャムたち。その中でも特に珍しく目を引くジャムがあります。玉ネギ、ラッキョウ、長命草、モズク、味噌というラインナップで、一見これもジャム?という疑問が頭をよぎりました。
お伺いするとお肉や野菜に合わせることで、甘党ではない方へも楽しんでもらえるように仕上げた商品になっているそうです。自身も食べることが大好きと話される美佐子さん。おススメの食べ方を教えていただきました。

お料理ジャムの活用方法を教えてください。

味噌とスパイスを使用しているので調味料と考えていただければ使いやすいと思います。例えば、玉ネギのジャムはソース感覚で使用できます。お酢とオイルにプラスするだけでドレッシングになりますし、お肉や揚げ物にも合うのでいつもの食事の“味変”としてディップして食べることでさっぱり美味しくお召し上がりいただけます。炒め物に加えても違和感なく味わい深くなります。
味噌を使用したラッキョウジャムやもずくジャムなどは野菜スティックのディップソースとしておススメです。

チャレンジが実を結んだ「もずく醤(もずくジャン)」

以前から海のものを使ってジャムを作りたいと考えていたのですが、今回「もずく醤(ジャン)」を開発しました。
メタボや血糖値が気になるなどお客様の声から生まれた、健康志向のヘルシーなジャムになっています。
調味料としてはもちろん、いつものおかずにディップしたり、コンビニ食の味変に使用するのもおススメです。ソース感覚で使うというイメージがしやすいように商品名を “醤(ジャン)”にしました。
もずく醬の原材料は、関係者の方のご協力もあり、宜野座村産のもずくをふんだんに使用しています。
他にも長こしょう、黒糖、アオサ、黒酢、黒にんにくを使用し、「宜野座村特産アイディア応援奨励金事業」で最優秀賞を受賞した逸品です。
さらに美味しく召し上がっていただけるよう改良する予定です。

今後チャレンジしたいことや力を入れたいことはありますか?

最近は発酵食品が気になっています。未知の分野なのでやってみたい。私はお菓子作りが好きなので、ジャムをチョコにはさんだり、ジェラートにしたり、ジャムを使ったお菓子作りなど色々あります。(美佐子さん)
ピクルスはよく作っているのですが、酵素づくりにハマっています。やりたいことはたくさん出てきますね。(幹夫さん)

規格外のタンカンを無駄にしたくない、と始まったジャム作り。何十年経った今もその強い気持ちは色あせることなく、素材を大切にされていることが伝わりました。ひと瓶に溢れるほど込められた知名さんご夫婦の熱い想い、多くの方に手に取り、味わっていただきたいです。
手作りの暖かみとこだわりが感じられる工房では、ジャムの試食も行っています。やんばるに訪れた際は工房への訪問がおすすめです。
宜野座村にお越しの際にはぜひお立ち寄りいただき、宜野座村の味をお楽しみください。 

基本情報

店舗名|事業者名
ぎのざジャム工房(ぎのざ じゃむ 工房)
営業・受付時間
11:00~18:00 (定休日:毎週月・火・水 )※営業日でも配達などで不在の場合があります。 
お問い合わせ先
098-968-8376
URL
https://www.facebook.com/ginozajam/
その他

商品は、ぎのざジャム工房、道の駅「ぎのざ」、道の駅「許田」、おんなの駅なかゆくい市場などやんばる地域の道の駅にて購入可能です。その他、ファーマーズマーケットやんばる「はい菜!やんばる市場」、高速道路伊芸サービスエリアでも購入いただけます。
オンラインショップはこちら(https://nijikuro.jp/ganbaru_yanbaru_jam.html

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